幹細胞コラム

幹細胞を使用した美容外科手術の種類とメリット・デメリット

インターネットで「幹細胞 美容外科」と検索すると、美容外科の名前がずらりと出てきます。

一般的には、検索をかけるとその内容を追求したサイトが表示されることが多いのですが、「幹細胞 美容外科」で検索するとものの見事に美容外科の名前ばかりで、内容を追求したサイトは出てきません。

なぜこんなに美容外科の名前ばかり出てくるのかと、それぞれのサイトを開いて見てみると、幹細胞についての細かい説明や、幹細胞をどのように使って施術するのかなど事細かく書かれていました。

それこそ、美容外科クリニックのサイトなのに内容を追求したサイトは必要ないくらい幹細胞について細かく書かれています。

幹細胞を使った美容外科手術や幹細胞培養液を使ったコスメは、まだ開発されて間もないものです。

そのため、幹細胞を使った美容外科手術の高い効果を、少しでも詳しく知ってもらおうとどの美容外科クリニックも丁寧に幹細胞のことを説明していました。

ただ、幹細胞を使った美容外科手術にどのようなものがあるのかまとめているサイトがなかったため、少しでも読者の方が見やすいように施術の種類や施術方法などをご紹介させていただきたいと思います。

これまでの美容外科の注入法ではできなかったフェイシャル若返り幹細胞手術

幹細胞を使った美容外科手術で代表的となるのが顔に幹細胞を注入し若返らせる手術です。
使う幹細胞は自身の脂肪から抽出しますが、太ももやお腹など脂肪を減らしたい箇所から脂肪を採取することができます。

採取した脂肪組織は特殊な機械を使い脂肪組織由来の幹細胞を抽出します。
抽出された脂肪組織由来幹細胞をシワやたるみ、頬のこけている部分、くぼみなどに注入します。

すると、シワやたるみが改善されるだけではなく、顔全体に丸みのある若々しいラインができ、リフトアップ効果がありますので若々しい印象になります。

どうしても加齢により頬の肉が落ちてこけてしまったり、たるんでしまったりと顔の印象が老けて見えてしまいますが、脂肪組織由来の幹細胞を注入することで若々しい印象にすることができるのです。

対応できる適応症状は、

  • ほうれい線
  • 輪郭の凹凸
  • こめかみのくぼみ
  • 目元のくぼみ
  • 頬のくぼみ
  • 額の凹凸やシワ
  • 唇のボリュームアップ

などがあり、自分の脂肪組織由来幹細胞を注入するのでとても自然な仕上がりになる上、顔全体の印象が若々しくなります。

これまでの注入法と呼ばれるヒアルロン酸注射やコラーゲン注射、PRP療法は、シワの改善をすることはできますが、顔全体の印象を変えることはできませんでした。

顔全体の印象を若々しくしたいとなると、切開によるフェイスリフトの手術が必要になります。
ただし、フェイスリフトの手術でもたるみを改善することはできますが、頬のこけや目の下のくぼみの改善はできないことが多く、これらの部分に丸みを持たせるのであれば、さらにPRP療法という脂肪注入の施術が必要なのです。

注入法は効果が一時的ですので継続して注入しなければなりませんし、自分の組織の一部を注入するのではなく異物を注入することになるので仕上がりは不自然になることもあります。

また、フェイスリフトは大掛かりな手術になる上、手術後には腫れや痛みが伴い、切開した傷跡は小さいですが残ってしまいます。

ですが、脂肪組織由来の幹細胞を使用した施術を行うと顔全体の印象が若返るだけではなく、自分の幹細胞を使用するため注入した幹細胞が生着しやすく長期的に効果が持続します。

何より、自分の幹細胞ですからアレルギー反応が出る心配はありませんし、顔への幹細胞注入は注射器を使用しますので手術後の痛みや腫れは軽く済みます。

これまでの美容外科手術では限界があったところを可能にしたのが、脂肪組織由来の幹細胞を使った手術なのです。

幹細胞による顔のアンチエイジング手術にかかる施術時間や退院日、料金について

脂肪組織由来の幹細胞を使った顔のアンチエイジング手術は、約30分程度で終了するところが多いのですが、脂肪組織を特殊なマシンにかけて抽出するのに別途時間がかかります。
使うマシンによって時間はことなりますが、約2時間はみておいたほうがよいでしょう。

簡単な手術ですので当日退院できますが、手術当日はメイクはできません。
また、抜糸があるので手術から約1週間後に通院が必要です。

料金については各クリニックで変わってきますので一概に言えませんが、脂肪注入の料金の約3倍、金額にすると100万円を超えるところもあります。

ですが、クリニックによっては注入箇所の数で金額が変わるなど、それぞれ料金設定が違いますので、詳しくは気になるクリニックの料金設定を確認するようにしましょう。

余分な脂肪は取り除き豊胸する一石二鳥の幹細胞を使った美容外科手術

幹細胞を使った豊胸手術も、自分の脂肪組織を採取し特殊なマシンで幹細胞を抽出しバストに注入します。

自分が痩せたい箇所の脂肪組織から幹細胞を抽出し、余分な脂肪を取り除き、豊胸するという一石二鳥の美容外科手術です。

バストアップに使う幹細胞ですから、顔に注入するより脂肪の抽出量も多くなりますので、バストが小さいのにお尻が大きいなどアンバランスな体形の人には最適な美容外科手術です。

もちろん、規定量までしかCAL(脂肪吸引)できませんが、それでもCAL(脂肪吸引)した箇所は痩せ、バストが大きくなり、脂肪吸引と豊胸の両方を行うことで理想的なスタイルを作り出せます。

特に、異物を胸に入れたくないという人のために、これまでの手術方法でも太ももやお腹などから脂肪を吸引しバストに注入するということはできていましたが、これまでのCAL(脂肪吸引)⇒豊胸という手術方法では脂肪の定着率が悪く一時的に大きくはなっても半年後には小さくなっているということがほとんどでした。

ですが、最先端医療や再生医療として注目を浴び研究が進んでいる幹細胞を使うことで、幹細胞のもつ「再生する能力」が力を発揮し脂肪の生着率が飛躍的に高くなったのです。

もちろん、生着率は個人差がありますので必ずこれくらいバストが大きくなるとは言えませんが、これまでの脂肪注入手術よりは各段に生着率が上がっているため、脂肪がバストに残りやすくなっています。

豊胸手術も顔の手術同様に、自分の幹細胞を使うためバストは自然な形になりますし、自分の幹細胞を使うのでアレルギー反応もありません。

ただし、脂肪組織から幹細胞を取り出す必要がありますので、急激にバストを大きくすることはできませんが、生着率を考えると急激にバストを大きくする必要はないようです。

幹細胞による豊胸手術にかかる施術時間や退院日、気になる料金について

幹細胞を使用した豊胸手術時間は約1時間というクリニックが多いようです。
バストに幹細胞を注入する時間だけを見れば約20~30分程度ですが、それまでに痩せたい箇所からCAL(脂肪吸引)したり幹細胞を抽出するなどで時間がかかりますので、1時間となっていますが長めに見たほうがよいでしょう。

豊胸手術なので大掛かりなのでは?と思われるかもしれませんが、入院の必要はなく、当日退院が可能です。

翌日から仕事に行くこともできますし、家事もできますが脂肪を吸引したところは3~5日ほど入浴できなくなりますし、手術後1~2回の通院が必要です。

CAL(脂肪吸引)した箇所が回復するまでに約1か月、バストに幹細胞が生着するまでには6カ月~1年ほどかかります。
そして気になる料金ですが、脂肪由来幹細胞を豊胸に用いる技術は高度再生医療とも言われています。

そのため、どうしても料金は高額になりがちで一般的には200~350㏄の注入で100万円を超えるところが多くなっています。

もちろん、キャンペーンなどで割引をしてくれるクリニックもありますが、それでも80~90万円は必要ですし、100万円を切るクリニックの方が少ないので、大量に脂肪組織由来の幹細胞を注入する豊胸手術は高額になってしまいます。

幹細胞を使用した美容外科手術のメリット・デメリット

幹細胞を使用した美容外科手術は顔と胸の2カ所というクリニックがほとんどでした。
他にも幹細胞を使用してできる手術はないのか探してみましたが、今のところは顔と胸がメインになっているようです。

顔、胸、それぞれの手術方法やどのようなメリットがあるのかなどを解説してきましたが、結局幹細胞を使った美容外科手術はどんなメリットがあり、どんなデメリットがあるのか分かりにくかった方のためにリストにしてみました。

手術を行うわけですから、どうしても料金は高額になってしまいますが、確実にアンチエイジングできるのが美容外科手術です。

特に幹細胞を使っているわけですからメリットも多く、お金があるならすぐにでも試したいという方もいるでしょう。

ですが、幹細胞を使った美容外科手術にもデメリットはあります。
体にメスを入れることですから、デメリットもきちんと把握しておかなければなりません。

文中にも出てきていますが、メリットやデメリットの数が多かったため、わかりやすくリストにしてみました。

手術を受ける前に、メリットとデメリットの両方をきちんと把握しておきましょう。

幹細胞を使用した美容外科手術のメリット

まずは幹細胞を使用した美容外科手術のメリットをリストにしてみましょう。

メリット
  • 自分の脂肪組織を利用するので安全性が高く拒絶反応が起こりにくい
  • 特に豊胸手術の場合は脂肪を吸引した箇所が痩せる
  • 脂肪の塊を移植するのではないので、これまでの脂肪注入で問題となっていた移植後のしこりが残りにくい
  • 石灰化や繊維化が起こりにくい
  • これまでの脂肪注入と比べると脂肪の生着率が高く効果の持続力が長い
  • 自分の幹細胞を使用するので仕上がりがとても自然
  • 顔の美容外科手術の場合、注入法ではできない顔全体の印象の若返らせることができる

これまでの解説で上げられたメリットをリスト化してみると、幹細胞を使用した美容外科手術はこれだけ多くのメリットがありました。

実際に文章を読んでいても「すごい!」と思う箇所がいくつもあったと思いますが、それほど美容外科手術で得られる幹細胞の恩恵は大きいのです。

幹細胞を使用した美容外科手術のデメリット

では次に必ず知っておかなければならないデメリットについてリスト化してみましょう。

デメリット
  • 脂肪組織から幹細胞を採取しなければならないので、1度の手術で極端に大きな脂肪の増大はできない(特に豊胸手術の場合)
  • お手軽な幹細胞コスメやエステに比べるとシステム料金がかなりの高額になる
  • 豊胸手術の場合、腫れや痛みが伴う
  • 当日退院はできるが入浴に規制がかかる
  • 術後の経過を見るために1~2度通院しなければならない

これらがデメリットです。

幹細胞を使用した美容外科手術は最先端技術と言えますが、やはり体にメスを入れるわけですから傷みを伴いますし、感染症などの恐れもあります。

ただ、効果を見るとコスメやエステと比べても比較にならないほど高い効果が得られるので、美容外科手術を受けたいという方もいるでしょう。

美容外科手術を受ける場合は、必ずそのクリニックのカウンセリングを受け、リスクについても詳しく聞くようにしましょう。

幹細胞を使った美容外科手術に関するまとめ

幹細胞を使用することで美容外科手術も大幅に進歩しました。
今回は美容外科手術について解説しましたが、再生医療を中心に行っている幹細胞治療では皮膚に幹細胞を移植してアトピー性皮膚炎を治すクリニックもあります。

医療業界でも注目度の高い幹細胞ですから、幹細胞が持つ「再生能力」はとても高く、美容外科手術を受けることで大きな変化が見られるでしょう。

ですが、「手術」ということは体に傷が入りますし、後も少しですが残ってしまいます。
幹細胞を使用した美容外科手術を受けたいという人は、必ずリスクは副作用を把握した上で受けるようにしましょう。